December 22, 2004

「宋家の三姉妹」'97香・日

監督:メイベル・チャン
出演:マギー・チャンミシェル・ヨーヴィヴィアン・ウー
 
 女性監督による細やかな描写が際立つ演出で、波乱の人生を送った三姉妹の姿を追った大河ドラマです。清王朝の終焉以降の中国、革命が相次ぐ激動の中を力強く生きた宋家の三姉妹。こんなに聡明で美しくて力一杯生きた姉妹が実在していたなんて驚きです・・・ この三姉妹が実に教養があって美しくて、また波乱に満ちた人生なんですよ! 中国近代史のちょっとした勉強にもなります。この時代の歴史を詳しく知らなくても、テンポの良い展開で脚本も良くわかりやすいです。また日本の音楽家、喜太郎さんが参加した映画音楽も素晴らしいです。哀愁漂う旋律のテーマ曲は必聴です。以後個性豊かな三姉妹それぞれの人生、感想を書いていきたいと思います。

 
一人は富を愛し、一人は権力を愛し、一人は祖国を愛した・・・
 
《長女・宋靄齢(あいれい)/ミシェル・ヨー》
 ミシェル・ヨーと言えば、華麗なアクションで名高いマレーシア出身の国際派女優。『007』シリーズの最新作『トゥモロー・ネバー・ダイ』への出演で、ハリウッド進出も果たしています。この映画ではアクションは一切見られませんが、その美しさと聡明さを余すところなく活かした演技で魅了してくれます。中国初の銀行家となった資産家と結婚し、政治の世界に飛び込んでいく二人の妹達を見守るような位置付けとなっています。
 
《次女・宋慶齢(けいれい)/マギー・チャン》
 2004年カンヌ国際映画祭で主演女優賞を獲得したマギー・チャン。話題作『HERO』や『2046』にも出演、旬の演技派女優として輝いていますね。この映画の事実上のヒロインは次女・慶齢で、彼女の人生と心理描写を中心にストーリーは展開していきます。1911年辛亥革命により中華民国が成立。総統になった孫文を追って、慶齢は日本に渡り二人は結婚します。孫文亡き後も、次第に弾圧されていく中国共産党を擁護し、孫文の遺志を頑なに守っていく凛々しい姿に胸を打たれます。映画の中で「男達は革命に命を捧げ、女は愛を失っていく。それが革命・・・」「革命とは愛である、愛もまた革命である・・・」という言葉が出てきます。この重厚な言葉は、まさに慶齢の人生そのものを表していると感じました。
 
《三女・宋美齢(びれい)/ヴィヴィアン・ウー》
 孫文の軍事顧問で、士官学校の校長となった軍人・蒋介石と結婚した三女の美齢。孫文の死後、国民党党首となった蒋介石は外交よりも共産党弾圧を優先し、次第に次女・慶齢と三女・美齢は対立せざるをえなくなります。この二人の葛藤の様子は静かながらも見ごたえのある描写で、二人が立場の違いに苦悩しながらも、姉妹の絆を大切にしようとする気持ちがひしひしと伝わってきます。満州事変や清安事件を経て、蒋介石は共産党との統一戦線を受諾、内戦を停止し、日本軍の侵略に抵抗していきます。そんな戦争のさなか、この三姉妹が政治的に活躍する様子が力強く描かれています。
 
《好きなシーン》
 次女・慶齢(共産党派)と蒋介石(国民党)が対立する中、長女と三女はその関係修復に苦悩します。長女ファミリーと三女ファミリー(蒋介石も含む)と次女・慶齢が一緒に食事をするシーンがあって、そこで思想の違いから三姉妹が言い争いを始めます。次第にその言い争いは英語となり・・・ 思わず英語で口げんかをしてしまう三姉妹。同席していた蒋介石は英語が理解できない為、三姉妹は自分達だけしかわからない言葉で、思う存分言いたいことを言いたかったのです。もちろん蒋介石は激怒しますが・・・(苦笑) この三姉妹は教育熱心な父親の影響で、子供の頃からアメリカ留学を経験し、当時のあらゆる最先端の教養を身につけます。このシーンを見て、教育や教養というものは人間にとって最高の財産だと確信しました。
 
《中国近代史 ~ナポレオン曰く「中国が動けば世界が動く」~》
 こちらでは中国近代史の略歴を記しておきます。映画の参考に。

1911年 辛亥革命により中華民国成立。総統となった孫文は日本に渡る。日本で宋慶齢と結婚。その後袁世凱に任を譲る。
1922年 袁世凱死後、孫文は広東に革命政府を置く。孫文の軍事顧問・蒋介石は孫文の命令で士官学校を造り校長となる。
1924年 北京で孫文死去。その後蒋介石は共産主義者を弾圧。次女・慶齢は国民党を脱退しソ連へ渡る。三女・美麗が蒋介石と結婚。
1931年 満州事変。蒋介石は外交よりも共産党弾圧を優先。日本軍の侵略を許す。
1936年 清安事件。蒋介石が誘拐される。周恩来を動かして蒋介石を説得し、その甲斐あって蒋介石は共産党との統一戦線を受諾。内戦停止。
1937年 日中戦争が盧溝橋で開戦。
1945年 第二次世界大戦、日本降伏。中国本土では内戦が再開。共産党の勝利。毛沢東により中華人民共和国建国。
1949年 蒋介石は台湾へと逃れる。蒋介石と妻の美麗は、その後中国本土の土を再び踏むことは無かった。

《フィギュアスケート・ファンのためのおまけ》
ペアの申雪&趙宏博(中国)が今シーズンのフリー演技で、この映画の曲を使用しています。映画を見ると、彼らの演技に対する理解度が深まるような気がします。私の感覚では、きっと彼らの演技は次女・慶齢と孫文の愛と革命を表現しているのかな~と想像してみたり。哀愁漂う旋律が流れると、映画の三姉妹が思い浮かんで泣けてきてしまうほどです。

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November 26, 2004

「リメンバー・ミー」'00韓国

監督:キム・ジョングォン
出演:キム・ハヌルユ・ジテハ・ジウォン
 
 私の鑑賞した韓国映画、第3作目の作品です。ちなみに1作目は『シュリ』('99 ハン・ソッキュ、キム・ユンジン出演)、2作目は『JSA』('00 ソン・ガンホ、イ・ビョンホン出演)です。その後『ディナーの後に』('98 カン・スヨン、ジン・ヒギョン出演)、『友へ/チング』('01 ユ・オソン、チャン・ドンゴン出演)、『スキャンダル』('03 ペ・ヨンジュン、イ・ミスク出演)などを鑑賞。
 
 ストーリーは1979年に生きる女子大生(キム・ハヌル)が、偶然手に入れた無線機で2000年に生きる男子学生(ユ・ジテ)と交流ができてしまい、奇妙な通信を重ねるうちに二人の間にはある因縁があることがわかり・・・
 
 もう切ないの一言です! ノスタルジックな映像とゆったり流れる情景描写、登場人物それぞれのあまりの細やかな情感あふれる演技に、切なくて切なくて胸が詰まります。あまりの優しい切なさに、ラストシーンでは思わず涙がこぼれました。1979年当時の韓国の政治情勢や、南北の問題、若い男子学生の兵役制度など、韓国ならではの問題にもさりげなく触れています。時空を超えた不思議な通信を重ね、まず女子大生(キム・ハヌル)がある残酷な因縁に気付きます。そして次第に男子学生(ユ・ジテ)もその重大な事実に気付くのですが・・・ それからの二人の会話の切なさと言ったら・・・(泣) 1979年と2000年が自分の中でハッキリつながった瞬間、こんなことって・・・とあまりの切なさに泣きたくなりました。
 
 ヒロインのキム・ハヌル、透明感があって瑞々しい魅力にあふれた女優さんです。最近の韓国の人気女優は、化粧映えのするいわゆる整形美人タイプが多いかなと思うのですが、キム・ハヌルさんはほとんどノーメイクで、清楚で温かみのある女優さんですね。現在も多くの映画やドラマへの出演がひっきりなしだそうです。この映画では、日本女優の竹内結子さんに雰囲気がそっくりだと感じました。表情によっては木村佳乃さんや松たか子さんにも似ているような気がしました。決して正統派美人タイプではなく、不思議な魅力をたたえた雰囲気を持っている部分が共通していると思います。ラストシーン、2000年における彼女の登場で一気に涙があふれました。ビジュアル的には不可解でも、その雰囲気と切ない演技に拍手を送りたい気持ちです。
 
 男子学生役のユ・ジテ、決して美形ではありませんがとてもステキな俳優です。キム・ハヌルに負けず劣らずの切ない演技に泣かされます。涙や言葉で切なさを表しているキム・ハヌル、一方でユ・ジテは表情だけで見事に切なさを表しています。彼は舞台の演出や出演もこなしているそうで、かなりの実力派俳優のようですね。他の映画代表作に『春の日は過ぎゆく』('01 イ・ヨンエ主演)『オールドボーイ』('03 チェ・ミンシク主演)などがあります。
 
 またユ・ジテの女友達役として、ホラー映画『ボイス』('02)で一躍脚光を浴びたハ・ジウォンが出演しています。

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November 02, 2004

「I am Sam アイ・アム・サム」'01米

監督:ジェシー・ネルソン
出演:ショーン・ペンダコタ・ファニングミシェル・ファイファーダイアン・ウィーストローラ・ダーン

 決して涙ものの感動作という印象はありませんでしたが、親子の愛情、障害者の自立、アメリカの福祉の現状など様々なことを考えさせられる内容でした。と言ってもあまり難しく考えることなく、俳優陣の達者な演技を堪能する、そして愛するビートルズを心から懐かしむ、そんな楽しみ方でいいのでは・・・と感じました。
 
 主人公サムは知的障害を持つ男性で、たった一人で娘のルーシーを育てなければいけなくなりますが、友人や隣人の助けもあり、立派に父親として頑張っていました。ところが娘が7歳になった時、福祉局がサムを父親として不適格とみなし娘を取り上げてしまうのです。サムは偶然知り合った女性弁護士と共に、娘を取り戻そうと裁判で争うことになって・・・

 
《サム役/ショーン・ペン》
 サムはスターバックス・コーヒーで働いていて、お客さんに「Wonderful Choice!」と声をかけるのが口癖。周囲はサムを温かく見守っています。知的障害者役を演じた名優は、かつては『レインマン』のダスティン・ホフマン、『フォレスト・ガンプ』のトム・ハンクスなどが思い浮かびますが、この作品でのショーン・ペンの演技も、名演と言ってよいのではないかと思います。さすがだなぁと唸るほど上手です。ただ少々オーバーアクト気味で、あざとさが見えなくもないといった印象もありますが、それは彼があまりにも演技達者だから、どんな役でも完璧に演じてしまうという前知識が私達にあるから・・・かもしれません。その滑稽な演技の中にも娘への愛情がたっぷり詰まっていて、それを体一杯で表現している姿に心を打たれます。サムが女性弁護士のリタにネクタイを結んでもらうシーン、ここで一瞬、知的障害者のサムの顔ではなく、素のショーン・ペンが見えるような気がします。このシーンの彼の表情をお見逃しなく!

 
《ルーシー役/ダコタ・ファニング》
 この映画には芸達者な俳優ばかりが出演していますが、やはり一番目を奪われるのが、ダコタ・ファニングの子役の枠を越えた素晴らしい演技力でしょう! 普通だったら演技をしなくても、その愛くるしい笑顔だけで、見ているこちらとしては目を細めてしまうわけですが、これがショーン・ペンを食ってしまう程の演技を見せているから驚きです。知的障害者の父親に困惑してしまう様子、自ら父親を支えている姿、妙にしっかりしていて子供らしくない一面があるかと思いきや、思いっきり無邪気な表情を見せてくれたり、この名女優の将来が本当に楽しみです。

 
《女性弁護士リタ役/ミシェル・ファイファー》
 久しぶりにミシェル・ファイファーの魅力があふれた映画に出会えました。年を取っても衰えぬ独特の色気と可愛らしさが、その演技力と共に健在だったのが嬉しいです。有能な敏腕弁護士の彼女が、サムに出会って振り回されてしまう様子や、イライラすると強暴でわがままな一面をつい露出してしまったり、社会的に有能と認められている彼女でも、自分の子育ては上手くいかなくて息子との関係に苦悩したり、等身大の女性の悩みを実に清々しく演じています。こういう部分が、父親不適格者とみなされているサムとの比較として描写されていて、とても惹き込まれました。たとえ立派な職業に就いていても、親としては未熟で迷いも多いという部分がとても現実的でした。


《その他の俳優陣》
 上記の俳優以外にも、演技力に定評のある俳優ばかりが登場します。

 隣人のピアニスト役のダイアン・ウィースト、かつて『シザーハンズ』という映画で、ウィノナ・ライダーの母親役を演じたことのあるオスカー女優です。脇に徹していて地味な印象ですが、その堅実な演技が光ります。またルーシーの里親役のローラ・ダーン、この女優は『遠い空の向こうに』で主人公を見守る教師役で知られています。里親としてルーシーを育てていきたいという意志と、サムの娘への愛情あふれる行動に困惑してしまう微妙な様子を、実に抑えた演技で表現していて素晴らしいです。サムの友人達、それぞれ様々な障害を持った人々ですが、「ルーシーとビートルズをこよなく愛する心」という絆で結ばれている様子が、とても微笑ましいものになっています。


《ビートルズを愛する人へ》
 この映画のサンウンド・トラックは、すべてビートルズのカバー曲で占められています。しかもNo.1ヒットした曲ではなく、アイドルを脱皮したその後の名曲が数多く使用されているところに、監督のセンスというかマニアぶりを感じます。挿入曲は「Two of Us」 「Lucy In The Sky With Diamonds」 「Across The Universe」 「Strawberry Fields Forever」 「Golden Slunbers」 「Blackbird」 「Mother Nature's Son」などのナンバーです。
 
 そして役名やシーンの至ることろでビートルズの面影を見ることができます。まずは役名ですが、娘のルーシーは「Lucy In The Sky With Diamonds」のルーシーにちなんで名付けられました。ジョージ・ハリスンの実際の娘の名前もルーシーだとか。女性弁護士役の名前はリタ・ハリスン。「Lovery Rita」のリタです。サムが友人達と横断歩道を縦に並んで歩くシーンは、ビートルズのアルバム「アビイ・ロード」のジャケットとかぶります。仮装パーティでジョン・レノンの格好を真似たり、サムの部屋にはジョンのポスターが貼ってあったり。里親に引き取られたルーシーの近くに引越してきた、サムの新しい部屋の番号は9号室。「9」はジョン・レノンのラッキー・ナンバーで、ジョンとショーンの誕生日、そしてヨーコと出会った日であるということは、ビートルズ・ファンの間では有名なこと。サムはビートルズに関しては、驚くほど詳細に記憶しているのです!
 
 そして極めつけは、福祉局の職員に「父親を物足りなく感じるでしょう?」と問われたルーシーの返事は、「All You Need is Love・・・」。ここまでするか!ってくらいの徹底ぶりに脱帽です(笑)。この映画のテーマがこの言葉に集約されているというわけです。そう、すべては「Love is All You Need」なのです!

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October 19, 2004

「大人は判ってくれない」'59仏

監督・原作・脚本:フランソワ・トリュフォー
出演:ジャン・ピエール・レオクレール・モーリエ、アルベール・レミ
 
 ヌーヴェルヴァーグの旗手フランソワ・トリュフォー監督の、自伝的要素の濃い長編デビュー作映画で、以後トリュフォー監督はジャン・ピエール・レオを主演に、20年に渡ってアントワーヌ・ドワネル(『大人は判ってくれない』の主人公)シリーズを撮り続けたとのこと。
 
 全編に渡って統一感のある映像と音楽が印象的で、徹底的に子供の目線から描いている作品だなと感じました。主人公の少年アントワーヌは、両親にも学校の先生にも理解されず、悪友と家出や盗みを繰り返し、ついには感化院(少年院)に収容されてしまいます。決して楽しい娯楽作品ではないし、新鮮さが感じられる部分もあまりないと思うのですが、なぜか笑ってしまったり悲しくなってしまったり、大人達の行動にやるせなさを感じたり苦笑したり・・・ この映画を見たことによって、人生少し得したのかな?と感じてしまう、なぜか不思議な魅力を持った映画です。うん、この映画を見たことのない人よりは、自分の持っている感性がほんの少しでも鋭くなったはず、と思わせてくれます。しかし・・・
 
 この映画を10代の頃に見ておきたかったと激しく後悔しています。絶対に今とは違う感想を持ったと思うし、もっともっと共感できたでしょうに。そして大人になって再び見るという楽しみも持てたのに・・・ 上質なクラシック映画は若い頃に絶対に見ておくべきですね。子供の瑞々しい感性に叶うものなんて、この世には存在しないと思うので。
 
 フランス映画だからこそ、ここまでさりげなく、あくまでスタイリッシュな映像なのでしょう。トリュフォー監督の作品を見たのはこの映画が初めてで、今後もっと別の作品を見たいと思わせてくれたということは、ヌーヴェルヴァーグの入門としては、この作品を最初に見たことは幸せだったのかもしれません。
 
 主人公アントワーヌ少年を演じたジャン・ピエール・レオは、その後フランス映画界にとって、無くてはならない存在の俳優になったとのことです。非常に端正な顔立ちで、瑞々しい演技で見る人を惹き付ける魅力を、既に子供の頃から備えていたのには驚かされます。映画のラスト、走り続けるアントワーヌ少年をカメラはどこまでも追いかける・・・ ラストシーンのアントワーヌの表情はいったい何を表しているのか・・・ こんなに主人公のその後が気になり、ラストシーンの表情が忘れられない映画も、そうは無いかもしれません。秋の夜長にトリュフォーでも見ようかなという時は、迷わず『大人は判ってくれない』をお勧めします。

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October 07, 2004

「ヒート」'95米

監督、制作、脚本:マイケル・マン
出演:アル・パチーノロバート・デ・ニーロヴァル・キルマージョン・ボイトトム・サイズモアアシュレイ・ジャッドダイアン・ヴェノーラエイミー・ブレネマンナタリー・ポートマン

 3時間にも及ぶ大作には、それなりの理由がないとなかなか手を伸ばすことができないものです。しかしこの作品には、その大いなる理由がありました。私にとっての「理由」とは、もちろんアル・パチーノロバート・デ・ニーロの共演、というより「対決」です。
 
 ですが・・・ これって本当に二人は共演しているの??というような映像でしたね。まるで徹底して狙っているかのように、二人は同じ画面にはなかなか収まらず、二人一緒に映るシーンでは、どちらかがアップの時はどちらかをぼかしていて、どちらかが正面の時はどちらかが後姿。これは別撮り疑惑が出たという噂も納得です。しかしそれはささいなことだと思ってしまうほど、二人の演技は迫力と貫禄があり素晴らしかったです。
 
 かつて『ゴッドファーザーPartⅡ』でも共演した形になっている二人ですが、出演する時代が異なっていたために、二人が同じ画面に映ることはまったくありませんでした。(パチーノは主人公マイケル役、デニーロはマイケルの父で、若き日のヴィトー役) そのことを考えれば、映画の中で同じ時代、いや同じ時間を演じている二人を見られただけでも幸せ・・・と感じてしまうわけです。前置きが長くなりましたが、印象に残っているシーンについて語っていきたいと思います。

 
《パチーノとデ・ニーロがレストランで相対するシーン》
 ロス市警の敏腕刑事役パチーノと、犯罪組織のトップ役デ・ニーロがついに対決! と言っても最初の対決は、レストランで二人が顔を合わせるというシーンです。徹底して二人同時に正面を向くことがありません。しかしこのシーンを二人別々に撮ったとして、果たしてここまで息詰まるような呼吸の合った演技ができるものでしょうか? 確執の噂された二人ですが、そこはプロ意識を発揮して正真正銘共演したのだ・・・と私は信じています。
 
 それにしてもこのシーンの二人の会話は、非常に緊張感のある張り詰めた空気を醸し出していてしびれます。まさに二人の最大の駆け引きの場なのです。パチーノのセリフ、「お互い顔は合わせた。お前をムショ送りにしたくない。もしお前が誰かを殺すようなことがあれば、俺はお前を倒す。」 しびれます! また立場はまったく違えど、お互いに共鳴しあう瞬間をもしっかりと描き出していて、まさにこの映画の最大の見せ場であると言えますね。

 
《市街地での銃撃シーン》
 ロス市街地での10分以上にも及ぶ銃撃戦、見ごたえ十分です。非常に緊張感があるため、長く感じず飽きさせません。デ・ニーロが撃たれた仲間のヴァル・キルマーを決して見殺しにしないところに、男と男の仁義を感じて心を打たれます。また、狙いを定めた相手を決して逃がさない、パチーノの凄腕ぶりが見事です。しかし白昼堂々、こんな銃撃戦が街中で起こるなんて恐過ぎます(苦笑)。


《ヴァル・キルマーとアシュレイ・ジャッドの別れのシーン》 ※ネタバレあり
 犯罪組織の一員であるヴァル・キルマーと、その妻役のアシュレイ・ジャッド。アシュレイは警察の保護監視下に置かれ、夫をおびき寄せる警察の作戦に利用されます。そして妻に会いにくる傷を負った夫。妻は警察に気付かれないように、夫を逃がそうと考えるのですが・・・ このシーンは泣けます。この二人にしかわからない合図というものがあったのか・・・ 妻の目とさりげない素振りで夫はすべてを察知して、愛する妻の元をおそらく永遠に去るのです。切ないシーンです。
 
 アシュレイ・ジャッドさんがとても上手で美しいです。アシュレイはよくシャーリーズ・セロンに似ていると言われていて、私は今まで全然似てないと反論していましたが、この映画の金髪セミロングのアシュレイは、かなりシャーリーズに似ていて、一瞬シャーリーズかと見間違えたほど。夫役のヴァル・キルマーも、パチーノとデ・ニーロの脇に徹してはいましたが、人間味漂う演技で良かったと思います。
 

《デ・ニーロと恋人の別れのシーン》 ※ネタバレあり
 デ・ニーロが素性を隠して付き合っている若い女性(エイミー・ブレネマン)、この二人のエピソードも泣けます。最終的には彼女もデ・ニーロの素顔や立場を苦しみながらも理解して、共に海外逃亡する決意をするのですが・・・ 銃撃戦から生還したデ・ニーロは、高飛びするために彼女と共に車で空港へと向かいます。その車の中の切ない空気と言ったら・・・ 暗いトンネルから抜け出た車は、一瞬明るくまぶしい光に包まれます。この瞬間が永遠に続けばいいのに・・・という願いも虚しく・・・ 空港へと向かう途中、デ・ニーロはよせばいいのに裏切り者への復讐を果たしに寄り道をします。目的を果たしたデ・ニーロは彼女の待つ車へと戻ってきます。ホッとする彼女と、これでようやく彼女と幸せになれると安堵するデ・ニーロ。そこへデ・ニーロを追い詰めるためにパチーノが現れて・・・ 彼女を巻き込むまいと独り逃げるデ・ニーロ、悲しげな表情を浮かべ呆然とするしかない彼女。無言にも関わらず、二人の想いというものがあふれているシーンです。

 
《その他》
 ナタリー・ポートマンがパチーノの義理の娘役で出演しています。精神的に不安定な少女という役どころで、終盤にある出来事が起こるのですが・・・ そこまで追い詰められていたのか・・・という描写が少なくて、ちょっとわかりづらいかもしれません。既に3時間の大作ですから、これ以上詰め込むこともできなかったのかもしれませんが。しかしこの出来事をきっかけに、パチーノの持つ家族愛というものが浮き彫りになるので、やはり重要なポイントかもしれません。
 
 ラストシーンまで、緊迫の駆け引きが続きます。ラストからエンドロールにかけて流れる音楽、フィギュアスケートの恩田美栄選手が、03~04シーズンにフリーで使用していた曲の一部です。(「God Moving Over The Face Of The Waters」 by Moby/試聴サイト
 
 印象的な風景として、デ・ニーロの恋人の部屋から見える夜景と、デ・ニーロの部屋から見える広大な海が圧巻です。美しい光景です。監督のマイケル・マンが、主演の二人を活かし切れていないという感想も見受けられるのですが、この二人を操れる監督って、昔のフランシス・F・コッポラぐらいしかいないような気もします(苦笑)。

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September 28, 2004

「ゴッドファーザー PartⅢ」'90米

監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:アル・パチーノアンディ・ガルシアダイアン・キートンタリア・シャイアブリジッド・フォンダソフィア・コッポラ

 この作品を語る上で触れないわけにはいかないのがPartⅠとPartⅡですが、あまりにも壮大過ぎるので簡単にまとめることができないでいます。PartⅢは前2作に比べるとやや物足りない感はありますが、やはりシリーズ最終章にふさわしい作品であったのではないかと考えます。
 
 前2作に比べてやや物足りない部分、というのは何なのか? それは当然のごとくヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランドロバート・デ・ニーロ)の存在でしょう。やはりドンはこの人しかありえないと、時の流れが経っても強く感じずにはいられません。また存在感で言えばヴィトーにも引けを取らなかったのが、コルレオーネ・ファミリーの相談役トム・ヘイゲン(ロバート・デュバル)でしょう。なぜPartⅢに出演しなかったのかはよくわかりませんがとても残念です。この人が出演していれば、作品にまた違った重みが加わったに違いありません。
 
 さらにそれ以上に残念なキャスティングだったのが、マイケルの娘メアリー役へのソフィア・コッポラの起用です。映画史上最悪のミス・キャストと言われても仕方ないでしょう(苦笑)。メアリー役は当初ウィノナ・ライダーに決まっていましたが、病気のため降板を余儀なくされたそうで、ゴッドファーザー・ファンとして残念でなりません。当時、美貌も演技力も人気も絶好調だったウィノナのメアリーを是非見てみたかったです。彼女の持つ雰囲気も、コッポラ映画に相ふさわしいものだったことでしょう。(翌年彼女は、コッポラ作品『ドラキュラ』への出演を果たしました。)


《マイケル・コルレオーネ/アル・パチーノ》
 マイケルの老けた容貌に衝撃を隠せません。必要以上に老け込ませて、時の流れを印象付けるような演出なのかなと感じます。それに続き衝撃的だったのは、神父への懺悔のシーンでしょうか。「妻を裏切り、自分を偽り、人を殺し、人を殺させました。私に背いた兄(フレド)を殺しました。私の母の息子を、私の父の息子を・・・」 涙ながらに懺悔するマイケルに、あの冷徹で頼もしい若き日の面影はもはやありません。そこにあるのは、ただ自分の過去を振り返るしかない老人がいるだけ・・・ ⅠとⅡのマイケルを見てきた人は、まずここで涙を流すのではないでしょうか。
 
 またⅠやⅡで登場したシーンを、あえてだぶらせるような演出が心憎かったです。例えばパーティーのダンスシーンやファミリーの記念撮影のシーン、否応なくⅠの冒頭の結婚式でのシーンを思い起こさせます。また町のお祭りでの銃撃シーン、マイケルの兄ソニーと同じように、血の気の多さをたしなめられるソニーの息子ビンセント、そして新たにドンに君臨する者の「儀式」のシーン。これらのシーンは巧妙にⅠとⅡの名シーンとだぶらせていて、見る者の前作への愛着を増幅させています。
 
 賛否両論あるラストですが、私はこうなるしかなかったのかな・・・と感じています。メアリーが糾弾に倒れるシーンで流れている音楽「カヴァレリア・ルスティカーナ」、もしかしたら「ゴッドファーザー・愛のテーマ」よりも心に残っているかもしれません。過去の印象的なシーンがマイケルの脳裏にフラッシュ・バックするような、かなりあざとい演出なのですが、ⅠとⅡのマイケルを見続けてきた者にとっては、やはり泣かないわけにはいかないシーンなのです。
 
 しかしこの結末では、今までマイケルが必死に築き上げてきたものは間違っていたのか?と虚しくなってしまうのもまた事実。さらに時が流れ、年老いたマイケルが崩れるように死に向かうラスト・シーン、あぁ終わったのだ・・・とまた涙。全編通じて素晴らしい演技を見せてくれたアル・パチーノ、見事でした。


《ビンセント・コルレオーネ/アンディ・ガルシア》
 PartⅢからの登場で重要な役割を担うアンディ・ガルシアは、相当のプレッシャーだったと想像します。演技力においては申し分なし、容貌や雰囲気もイタリア系を思わせるあたりは、『ゴッドファーザー』にふさわしいのではないかと評価したいと思います。
 
 ただ、それだけでは許されないのが『ゴッドファーザー』。突然の登場で大きな顔をして、しまいにはマイケルを引退に追い込み、自分が「ゴッドファーザー」の座へ。ⅠとⅡから見続けてきたファンにとって、これはとても納得ができないことでしょう(苦笑)。例の「儀式」も、かつてのマイケルの時と比べて何と重みのないことか・・・ でもそれが、ファミリーの時代の流れをそのまま表現しているとも受け取れます。蛇足ですがソフィア・コッポラよりも、ブリジッド・フォンダとのカップリングの方が、美男美女で正直お似合いでした。

 
《コニー/タリア・シャイア》
 思えばこの壮大な大河ロマンは、この人の結婚式のシーンから始まったのですね。ⅠとⅡでは若い世間知らずな妹という印象しかありませんでしたが、Ⅲではいつのまにかファミリーの中枢になっていて、迫力と存在感が増していました。この人に限っては、コッポラ・ファミリーの威光というものはあまり感じられませんでしたね。実力通りの手堅い演技だったと思います。(タリア・シャイアはコッポラ監督の妹。『ロッキー』シリーズのエイドリアン役で有名な女優。)

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September 15, 2004

「キャメロット・ガーデンの少女」'97米

監督:ジョン・ダイガン
出演:サム・ロックウェルミーシャ・バートン、クリストファー・マクドナルド、キャスリーン・クインラン

 作品の宣伝コピーとして、「少女は10歳にして、すべてをわかりあえる異性に出会ってしまった」という言葉が出てきます。何となく禁断の愛っぽい雰囲気を漂わせていますが、実際に見てみると純粋な友情のお話であることがわかります。
 
 とにかく主人公の青年役サム・ロックウェルと、少女役のミーシャ・バートンの存在感が素晴らしかったです。年齢はかなり離れている二人ですが、映画の中では全く違和感を感じませんでした。全体的にはチグハグなエピソードがいくつかあって、消化不良気味な感じもしなくもないのですが、ラストの驚く展開にはグイグイ惹き込まれます。そして映像の美しさといったら・・・ キャメロット・ガーデン(新興住宅地)の無機質な雰囲気や、青年の住むキャンピング・カーの周りの森や、不気味とも思える木に沢山結んである赤いリボン、青年と少女が一緒に出かける川など、美しい映像が映画の質を高めていると感じます。
 
 青年役のサム・ロックウェル、主な出演作に『グリーンマイル』や『チャーリーズ・エンジェル』などがありますが、あれ、どんな役で出てたっけ?というぐらいのカメレオン俳優ぶりです。しかも彼は劇中よく脱ぐらしいです(笑)。『キャメロット・ガーデンの少女』でも気持ちの良いくらいの脱ぎっぷりでした(笑)。68年生まれの彼ですが、今作ではかなり若く見えます。決して美形俳優ではないのに、ものすごく魅力的に見えるから不思議。これって俳優としてとても素晴らしいことですよね。
 
 少女役のミーシャ・バートン、彼女の演技には上手だなという感想を通り越して、恐いとさえ感じてしまいます。私の中で偉大な子役女優三傑に仲間入りしました。他の二人は『ピアノ・レッスン』のアンナ・パキンと、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のキルスティン・ダンストです。無邪気な笑顔と何を考えているのかわからない神秘的な表情、その見事なまでのコントラストが強烈に心に焼き付いています。自宅の屋根の上で裸になって叫ぶシーン、青年のキャンピング・カーの屋根から逆さになって顔を出すシーン、そして自らの「傷」を青年に見せるシーンが大好きです。
 
 この映画をジャンル分けすると、ファンタジー映画の部類に入るとのこと。ですが、ラストの「あのシーン」を見るまでは、ファンタジーの要素は全く出てきません。ラストになって初めて、この映画が極上のファンタジーであることが理解できるというわけです。この意外なラストには賛否両論あるようですが、私は賛成派ですね。支離滅裂な展開でも、役者が素晴らしくて映像が美しい、これだけで私にとっては忘れられない映画となっています。

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September 03, 2004

「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」'94米

監督:ニール・ジョーダン
出演:トム・クルーズブラッド・ピットキルスティン・ダンストアントニオ・バンデラススティーブン・レイクリスチャン・スレーター

今 考えると夢のような豪華キャストですね。トム・クルーズブラッド・ピット、亡きリバー・フェニックスの代役クリスチャン・スレーター、ハリウッドに進出したてのアントニオ・バンデラス、皆若くて美しかったですねぇ。いまや若手実力派女優として大活躍のキルスティン・ダンストが、初の大役として出演した映画です。トムやブラピに一歩も引けを取らない堂々とした演技で、名子役として大絶賛を浴びました。
 
 物語は現代のサンフランシスコ、ルイというヴァンパイア(ブラッド・ピット)がインタビュアー(クリスチャン・スレーター)に自分の半生を語るシーンから始まります。そして18世紀末ニューオーリンズの回想シーンに続きます。映画全体がヨーロッパ・ゴシック調の雰囲気に包まれています。(舞台はニューオーリンズですが) 映像や美術も見事で、94年度アカデミー美術賞にノミネートされています。時間の経過や展開もテンポが良く惹き込まれます。ですがあのラストだけは賛否両論分かれるようですね。私は蛇足ととらえます。そしてエンディングのガンズ・アンド・ローゼズの曲も違和感が拭えません。ではここからはそれぞれの登場人物についての感想を書いていきたいと思います。


《レスタト役、トム・クルーズ》
 原作者のアン・ライスからミス・キャストと言われたトムが、それを跳ね返すべく入念な役作りをして挑んだレスタト役。アメリカ青年の代名詞とも言えるトムが、ヨーロッパ・ゴシックの雰囲気を漂わせる冷酷で妖艶なヴァンパイアを熱演していますね。減量もメイクもかなり気合が入っています! 美しいレスタトから老いたレスタトまで様々な表情を見せてくれます。出番はさほど多くないながらも、さすがの存在感を発揮していました。

《ルイ役、ブラッド・ピット》
 事実上の主人公であるルイ役のブラッド・ピット。美形と名高いブラピですが、私は一度も彼のことを美形と思ったことはありません。しかしこの映画のルイ役に挑んだ色白金髪のブラピは、目もくらむほど美しかったです。ヴァンパイア・メイクが似合わないとの意見もあるようですが・・・
 
 レスタトに血を吸われてヴァンパイアになってしまったルイ、それでも冷酷なヴァンパイアになりきれない彼は、苦悩を抱えながらもクローディア(キルスティン・ダンスト)という人間の少女をヴァンパイアに変えてしまいます。そこからまたルイの苦悩は益々深くなるわけですが・・・ クローディアを厳しくしつけるレスタトとは対照的に、彼女に深い愛情と負い目を抱える悩めるルイ。こんなに悩んで迷って憂いているブラピは、他の映画ではあまりお目にかかれないため貴重な作品ですね。

《クローディア役、キルスティン・ダンスト》
 キルスティンの「ガーリー女優伝説」は、まさにこの映画から始まりました! ある映画雑誌のキルスティン特集で読んだのですが、当時のオーディションでトムがキルスティンを気に入って、クローディア役にしては背の高かった彼女に、足を曲げて背を低く見せるようにアドバイスしたとか(?)。その甲斐あってか(?)見事クローディア役を獲得しゴールデングローブ賞にもノミネートされたりと、若き本格派女優としての大きな飛躍になりました。
 
 この映画のキルスティンの演技には、子役という枠が当てはまらないスケールの大きさを感じます。子供の残酷さ、無邪気さだけではなく、外見が大人にならない女性としての苦しみ、ルイに近づく大人達への嫉妬など、複雑な感情表現を見事に演じていると感じました。自分をヴァンパイアに変えたルイを愛するがために苦しむクローディアの姿に、こちらも胸がしめつけられる思いです。そんなクローディアが灰になって消えてしまうシーンは号泣ものです。
 
 彼女の死後、ルイは生きる価値を見出せなくなり、改めて自分がクローディアをどれだけ愛していたのかを思い知るのです。キルスティンの類いまれなる演技力があってこそ、成立した映画と言っても過言ではないと思います。

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July 27, 2004

「ベッカムに恋して」'02英・独

監督:グリンダ・チャーダ
出演:パーミンダ・ナーグラ、ジョナサン・リース・マイヤーズキーラ・ナイトレイ

 この邦題から連想されるような、ベッカムに恋する少女のお話というわけでは決してありません。原題は『BEND IT LIKE BECKHAM』。ベッカム得意の右足から繰り出される、鋭く曲がるキックの意味だと思われます。
 
 たしかに主人公のインド人の少女ジェス(パーミンダ・ナーグラ)は、ベッカムのプレイに憧れるサッカー好きの女の子。彼女の部屋にはベッカムのポスターやユニフォームがところ狭しと飾られています。しかしまた、単なるサッカー少女のスポコン映画とも少々違います。サッカーの練習や試合のシーンはたくさん登場しますが、イギリスにおけるインド人やアイルランド人の立場や人種問題、セクシャリティーに関する様々な問題、男性社会であるサッカー界における女性進出の問題などを、決して重くならない程度にコミカルに取り上げています。その他友情あり、恋愛あり、盛り沢山の内容でなかなか面白い映画でした。
 
 インド人家族の宗教や戒律に基づいた、あまりにも保守的な考え方にビックリしました。結婚前の女性は気軽に男性と付き合ったり、肌を露出する服装をするのはダメ、結婚に備えてインド料理をしっかりマスターしておかなくてはならない、もちろん女の子がサッカーなんてもっての他。家族に反対されながらも、サッカーに情熱を燃やす主人公ジェスにエールを送りたくなります。そんなジェスが、同じように人種や家族との摩擦に悩むサッカーチームの男性コーチに気持ちが傾くのもわかるような気がします。
 
 最初は垢抜けない印象だったジェスが、どんどんキレイになっていく様子が微笑ましいです。インドの民族衣裳のサリー姿はとても美しいです。ジェスのお姉さんのインド式婚約式や結婚式の様子が、きらびやかに描写されていて興味深かったです。まるでスパイスの香りが漂ってくるかのような、濃厚なインド世界の描写でした(笑)!
 
 ジェスと共に有望な選手であるジュールズ役は、イギリスの若手人気女優のキーラ・ナイトレイ。細いながらも鍛えられた腹筋を披露していて、はつらつとサッカー少女を演じています。ショートカットのキーラ、10年前のウィノナ・ライダーにそっくりです! 映画を見ている間、キーラがずーっとウィノナに見えて仕方ありませんでした(苦笑)。キーラはこういう現代ものの普通の少女役を演じている時の方が、自然な演技で好感が持てます。この映画での演技が良かっただけに、その後の時代劇大作での演技が酷評されているのが気になるところ・・・ 美貌は年と共に必ず衰えると思うので、大人になった時にしっかり演技ができる女優になっていてほしいと切に願います。
 
 女子サッカーチーム・コーチ役のジョナサン・リース・マイヤーズ、最初見た時、あの神秘的な美貌が衰えたかな?とも感じたのですが、話が進むにつれてやっぱりキレイな顔立ちだと認識しました(笑)。でも普通の青年役のジョナサンはちょっと平凡でつまらないかも。先日『ベルベッド・ゴールドマイン』での、中性的で妖しげなロック歌手役を見たばかりの為かもしれません。やっぱり彼の魅力は個性的な役柄でないと発揮できないのかも?と思ってしまいました。
 
 とは言っても抑えた演技で悪くはなかったですよ。ジェスの家族を説得しに家を訪問するシーンでは、ジェスと家族の双方の気持ちを思いやる彼の姿勢がすっごく良かったです。あとは何と言ってもラストの空港のシーン。ジョナサンの目は本当に澄んでいてキレイ! とてもベタな展開ですが、爽やかなハッピーエンドで気持ち良く見ることができました。空港で「BECK&POSH」が登場しますが、シルエットがそっくりでしたね(笑)。最近ハリウッド映画漬けの私には、イギリス英語の発音がとても新鮮に聞こえました。

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July 23, 2004

「ベルベッド・ゴールドマイン」'98英

監督:トッド・ヘインズ
出演:ユアン・マクレガージョナサン・リース・マイヤーズクリスチャン・ベールトニー・コレット

 70年代イギリスのグラムロックの知識を必要とする、かなりカルトで見る人を選ぶ映画だと思います。特にデヴィッド・ボウイとイギー・ポップについて詳しいとより楽しめるかもしれません。ちなみに私はまったく詳しくなくて、グラムロックについての予備知識はほとんどありませんでしたが、主役のジョナサン・リース・マイヤーズのビジュアル的美しさ、インパクトのあるライブ・シーンなどは十分堪能できました。劇中音楽で唯一、T.REXの「20th Cuntury Boy」だけはすぐにわかりました♪
 
《ストーリー》
 時代は1984年アメリカ、新聞記者のアーサー(クリスチャン・ベール)は、70年代イギリスでカリスマ的な人気を誇ったロック・ミュージシャン、ブライアン・スレッド(ジョナサン・R・マイヤーズ)についての調査を依頼されます。当時ブライアンの熱狂的なファンであったアーサーは、ある事件をきっかけで失踪しているブライアンの追跡調査をしていく内に、意外な事実を見つけることとなります。追跡調査にあたって、アーサーはブライアンの元マネージャー、元妻(トニー・コレット)や彼と親しかったロック歌手のカート・ワイルド(ユアン・マクレガー)らと会います。彼らはアーサーに当時のブライアンのことを語り始め、同時にアーサーはグラムロックに心酔していた10年前の自分を思い出していきます。
 
 以降、個性的な演技を披露した俳優ごとの感想を書いていきたいと思います。


《ジョナサン・リース・マイヤーズ》
 バイセクシャルを公言しドラッグに溺れていく伝説のロック・ミュージシャン役を、この世のものとは思えない美しさで演じています。ユニセックスな雰囲気と奇抜な化粧、セクシーなライブ・パフォーマンスと、本格的なプロモーション・ビデオ映像は一見の価値ありです。ライブ・シーンの歌声は吹替えなのかどうか、資料が乏しくよくわからないのですが、もし本当に歌っているのだとしたら素晴らしいなと思います。あの自己陶酔しきったパフォーマンスはまさに伝説のミュージシャンそのもの、まさにハマリ役です。その妖艶な美しさで見る者全てを魅了してくれます。ジョナサンはこういう廃退的で神秘的なムードを醸し出すのが上手ですね。
 
 最後に新聞記者のアーサーが突きとめる、ブライアンに関する意外な事実・・・ 私はちょっと受け入れがたいものがありましたが(笑)。この映画での見事な演技で、一気に人気俳優への階段を駆け上がるかに見えたジョナサンですが、以降それほどキャリアは伸びていないようですね。ロシアの血をひいた一種独特で個性的なジョナサンの美貌は、ハリウッドとは異質のもののような気もします。でもそのアイリッシュ&ロシアンの多国籍な美貌を武器に、玄人受けするヨーロッパ映画でのこれからの活躍を期待したい俳優です。
 
《ユアン・マクレガー》
 思ったほど登場シーンは多くありませんが、相当なインパクトを与えてくれます。前半の彼のステージ・パフォーマンスには呆気にとられました。ものすごい脱ぎっぷりです。ステージ上で全裸になっていいのでしょうか??(苦笑) もちろんぼかしは入っていますが、それにしてもユアンはよく脱ぎますね~。『トレインスポッティング』でも潔く脱いでいましたけど、こちらの映画もスゴイです! ステージ上で体にオイルを振りかけていかがわしさ一杯、しかし迫力のある歌いっぷりは見事でした。
 
 ジョナサン演じるブライアンと身の破滅につながるような恋愛に陥るのですが、二人のラブ・シーンは美しいと同時に切ないものがありました。金髪ロングヘアのユアンもなかなか魅力的でしたよ(笑)。終盤で彼がアーサー(C・ベール)と語り合った時の粋な行動が心に残ります。
 
《クリスチャン・ベール》
 アメリカで新聞記者として働く現代(1984年)のアーサーと、70年代イギリスでグラムロックに心酔しきっている若かりし頃のアーサーと、二つの違った顔を見せてくれます。若者時代の化粧と髪型が似合っているとは言えませんが(苦笑)。物語のキーパーソンであり歴史の目撃者でもあります。一番強烈なシーンは、ステージ上で絡み合うブライアンとカートの映像や記事を見て、自分の部屋で一人身悶えするクリスチャンの姿でしょうか・・・ あと驚いたのは、グラムロック時代(に限らないかもしれないけれど)のグルーピーは同性にも走るんだ・・・ということです(苦笑)。
 
《トニー・コレット》
 特に美人というわけではないのに、この女優さんの存在感はすごいと思いました。男性陣3人の個性にも負けていませんでしたね。ブライアン(ジョナサン・R・マイヤーズ)がカリスマ的な人気ミュージシャンになっていくのをそばで見守りながら、誇らしいと同時に辛いこともたくさんあったのですね。でも夫が聴衆に向かって「自分は男も女も大好きだ、誰にでもバイセクシャルな部分はある。妻も同じ考えだ。」と言ったり、夫が妻から離れていく理由が男性というのは、あまりにも悲しくて虚しいですね。

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July 19, 2004

「デス・トゥ・スムーチー」'02米

監督:ダニー・デビート
出演:ロビン・ウィリアムスエドワード・ノートンダニー・デビートキャスリーン・キーナー

 愛する(笑)エドワード・ノートンの出演映画、日本での劇場公開は無かったようで、先日やっとビデオで見ることができました。監督は俳優としても有名なダニー・デビート。ロビン・ウィリアムスとエドワード・ノートン、キャスリーン・キーナーという演技派俳優達の緩急自在の見事な演技によって、見ごたえのある痛烈なブラック・コメディに仕上がっています。
 
 それにしてもノートンがこの役を引き受けるとは・・・(苦笑) ノートンのはずれの無い完璧なフィルモグラフィーにおいて、一際異彩を放つ異色の映画であることは間違いないようです(笑)。キャスリーン・キーナーという女優さん、どこかで見たことあるなぁと思っていたら、『マルコヴィッチの穴』に出演していた女優さんでした。
 
 大まかなストーリーは、子供向けテレビ番組の人気スター、レインボー・ランドルフ(ロビン・ウィリアムス)が贈賄スキャンダルで失脚。それに替わる人材を探していた番組スタッフのノラ(キャスリーン・キーナー)は、サイの着ぐるみ姿で病院施設の患者達に歌を聴かせていたモープス(エドワード・ノートン)を、新番組のキャラクターに抜擢します。「スムーチー」というクリーンなイメージのキャラクターで人気者になったモープス、それを目の当たりにしたランドルフは、「スムーチー」を抹殺して自分が番組に返り咲こうとあらゆる罠を仕掛けるのですが・・・


《エドワード・ノートン》
 うそ、あのエドワード・ノートンが・・・と目を疑うくらいの強烈な着ぐるみ姿(笑)。ノートン演じるモープスは正直者で善良でちょっと頼りないごく普通の青年なのですが、子供番組の中でスムーチーに扮する時のハジケっぷりは、あの『アメリカン・ヒストリーX』のノートンと、とても同一人物には見えませんでしたね~。さすがカメレオン俳優! 映画しょっぱなからノートンの鼻にかかった歌声が聴けるし、他の映画では見せたことのない毛糸の帽子にポンチョ姿のノートンが見られるし、子供番組「スムーチー」のカラフルな舞台セットで、楽しそうに歌ってダンスをするシーンも満載だし、中盤に『アメリカン・ヒストリーX』のパロディ??と思えるシーンも出てくるし、ファンにとってはもうたまらない作品です!
 
《ブラック・ユーモア》
 子供向け番組を中心に展開する内容ですが、映画そのものは決して子供向けではなく、むしろブラック・ユーモアあり、アイリッシュ・マフィアとの抗争あり殺しあり、字幕では表すことのできない程の卑猥なセリフありの、非常にブラックで皮肉を含んだ内容となっています。モープスが子供番組の中で歌う歌詞には、「新しいパパと仲良くする方法」や「新しいパパが君達やママに暴力を振るった時の魔法の番号は・・・911!」という非常にアメリカ的で現実的な内容が含まれているし、番組スタッフのノラは「恥ずかしい話だけど昔、子供番組の人気スターのグルーピーだったの。」という告白をしたり、とにかくブラック・ユーモアとアイロニーたっぷりの大人向けの映画です。
 
《アイスショー》
 この映画を語る上でブラック・ユーモアと共にはずせないのは、「スムーチー」のキャラクター・アイスショーのシーンです。モープスは最初「中味のない金儲けだけのアイスショーなんて興味ない、子供の為にならない。」と主張していてちょっと悲しかったのですが(苦笑)。
 
 しかし終盤のアイスショー・シーンはなかなか見ごたえがあります。ノートンは着ぐるみのままダブル・アクセルを披露したり(もちろん吹替え)、ロビン・ウィリアムスはキャンデロロ・スピンで魅了してくれます(笑)。DVDでは特典映像として、このアイスショー・シーンが30分以上も収められているとのこと。ぜひ見てみたいものですね~。

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July 16, 2004

「キューティ・ブロンド」'01米

監督:ロバート・ルケティック
出演:リース・ウィザースプーンルーク・ウィルソンセルマ・ブレアマシュー・デイビスビクター・ガーバー

 このコメディ映画を見て、どうしてリース・ウィザースプーンがハリウッド高額ギャラ女優に君臨しているのかが、なんとなくわかったような気がしました。特別美人でもなければモデル体型でもなく、オスカー女優というわけでもない、なのになぜこんなにもハリウッドで重宝されているのか、やっと理解できたような映画でした。(2006年アカデミー賞で主演女優賞獲得!)
 
 もうリース最高です! 万人受けするとは言えない個性的な顔立ちに日本人体型、アイドル俳優ライアン・フィリップとできちゃった結婚、これだけ反感を買う要素が揃っているのに、トップ女優として成功しているのはすごいことだと思います。演技も軽快な巧さがあるし、プロデューサーとしての手腕もあるようで、なかなか賢い女性だと見受けられました。
 
 映画のストーリーはと言うと、オシャレでファッショナブルなブロンド娘のエル(リース)が、政界を目指す名門の恋人に、「議員の妻になるのはジャッキーなんだよ。マリリンじゃない。」という理不尽な理由で突然振られてしまいます。そこでエルは一発奮起して、恋人と同じハーバードのロースクールを目指すべくチャレンジを開始するのです!
 
 最初から最後まで笑いっぱなしです。ハーバードのロースクールに提出する自己PRビデオも、よく合格したなぁという大爆笑の内容です。めでたく恋人と同じ学校で法律の授業を受けるエルですが、バービー人形のような出で立ちにどこまでもマイペースな性格のため、クラスの中でも浮いた存在に。でも底抜けに明るいエルの頑張りを心から応援したくなります。黒いノートパソコンを広げるクラスメート達を尻目に、ハート型のノートに羽のついたペンで授業を受けるエル。オレンジ色の派手なマックを購入するエル。エルを振った恋人の婚約者だと名乗るクラスメート(セルマ・ブレア)のイジメにもめげずに、どこまでも我が道を突き進むエル。そんな前向きで頑張り屋のエルは、次第に周りの信頼を集め人気者になっていきます。特に行き付けのネイルサロンの女性店員や、かっこ悪くて冴えない男子クラスメートとの友情、ロースクールの調査員兼弁護士のエメット(ルーク・ウィルソン)との軽快なやり取りが心温まります。
 
 映画後半部分は、エルが弁護士実習生として法廷に立つ法廷劇になっています。これがあまりにも単純でわかりやすくて痛快なのです。こんな単純明快な法廷シーンは今まで見たことがありません(笑)。突っ込み所は満載ですが、この映画でそれを言うのは野暮というものです(笑)。とにかくエルの可愛らしさ、前向きさに共感しっぱなしです。見終わった後、爽快な気分になること請け合いです! 「世の男性諸君、ブロンド娘をバカにしないで。本当は頭も良いのよ!」というエルのメッセージは、まことに痛快で面白かったです。エルの可愛いファッションに目を惹かれつつ、エルの飼い犬のチワワもとっても可愛くて心惹かれました。

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July 11, 2004

「I LOVE ペッカー」'98米

監督:ジョン・ウォーターズ
出演:エドワード・ファーロングクリスティーナ・リッチリリ・テイラー、マーク・ジョイ、メアリー・ケイ・プレイス

 カメラを愛する少年ペッカーと、彼を取り巻く人々を描いた心温まるお話です。
 
 ただし登場人物が皆、変人なのです(笑)! エドワード・ファーロング演じるカメラ少年ペッカーは、ユニークな被写体を探して所かまわずシャッターを切りまくるカメラ小僧だし、我等がインディーズの女王、クリスティーナ・リッチ演じるペッカーのガールフレンドは、経営しているコインランドリーを仕切る気の強い不思議な女の子。古着屋を営んでいるペッカーの母親は、ボランティア精神にあふれていて気前が良過ぎ。ペッカーの姉はゲイバーで働くことを生きがいにしているし、幼い妹はヒステリックで異常に甘い物が好き。祖母は聖母マリア像を崇拝する妙な宗教観を持っていて、ペッカーの親友はイイ奴だけど万引きばかりしている困った少年。唯一ペッカーの父親だけが、普通の良いお父さんという感じがしました。
 
 ペッカーが中古のカメラで撮る写真が、実に生き生きしていて面白いのです。その被写体は、家族や町の人々から風景や食べ物まで本当に様々。何でもない物がペッカーのカメラの魔法にかかると、素晴らしく味わい深く見えてくるから不思議。フィルムを万引きしたり、ストリップ・ショーを盗み撮りなんてこともしてしまうのですが、町の人々はペッカーにあきれながらも温かく見守っているのがわかります。そんなユニークな彼の写真が、N.Y.の女性画商に認められてN.Y.のギャラリーで個展を開くことになるのですが・・・
 
 ペッカーの住んでいる町は、素朴な田舎町ボルティモアという設定です。クリスティーナ・リッチ演じる少女が、N.Y.からバスでこの町に帰ってきた時、「やっぱりボルティモアが最高!」という感じで、道路にキスしているシーンが印象的です。
 
 ペッカー役のエドワード・ファーロング、肩に力が入っていない爽やかな演技でとても上手です。でもそれ以上に光るのがガールフレンド役のクリスティーナ・リッチです。彼女お得意の不機嫌な表情がたくさん見られます。不機嫌な顔がこんなに魅力的なのってクリスティーナだけだろうなぁと思います。不機嫌な表情の中で垣間見せる一瞬の笑顔がキュートです! 彼女にはこういうミニシアター系映画で、センスあふれる演技をいつまでも続けていってほしいなぁと思います。
 
 最初から最後まで終始クスクス笑いをしてしまう内容ですが、私が一番笑ったのはペッカーと彼女が投票所の個室で仲直りをして・・・というシーンです(笑)。

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July 09, 2004

「ウェディング・プランナー」'01米

監督:アダム・シャンクマン
出演:ジェニファー・ロペスマシュー・マコノヒージャスティン・チェインバースブリジッド・ウィルソンジュディ・グリア

 スキャンダル・クイーン、ジェニファー・ロペスと、ラブコメならお得意のマシュー・マコノヒー主演の、思いっきりベタなロマンティック・ラブコメディです(笑)。あの悪評高いジェニファー・ロペスが、なかなかのコメディエンヌぶりを見せてくれて見直しました。ラテンっぽい美貌とあの「お尻」に目がクギ付けになりました(笑)! 私、女なんですけどジェニロペのお尻からずっと目が放せませんでした。変でしょうか(苦笑)。
 
 サンフランシスコきっての人気ウェディング・プランナー、最初の方はその仕事振りがよく描かれていたので興味深かったです。しかし話が佳境に進むにつれて、ウェディング・プランナーという職業の描写がピンボケしてしまったのが残念。もうちょっと焦点を当ててほしかったなぁと思います。
 
 ウェディング・プランナーのヒロインが恋した男性は、担当の花嫁の婚約者だった! さぁどうなる?というお話です。やや陳腐とも言えるストーリー展開ですが、好きなシーンや美しいシーンがとても多くて、セリフも心に残る微笑ましいものばかり。ジェニファーとマシューの出会いのハプニングからして、あの陳腐さにはやや苦笑しますが、思いっきり乙女心を捕らえてはなさないシチュエーションになっています。
 
 相手役のマシュー・マコノヒーがステキです! こういう人と知り合ったら絶対に好きになってしまうだろうなと思います。二人が最初にデートする野外映画劇場の公園でのシーンが大好きです。またジェニファーに思いを寄せるイタリア人青年も好感度大で、彼のジェニファーへのプロポーズの仕方がすっごくステキで憧れます。終盤にジェニファーが花嫁衣裳として、シンプルな白いツーピースを着ていて、それがどんな豪華なウェディング・ドレスよりも美しく見えるから不思議。私生活でのビッチぶりがまったくウソのような、清純可憐なジェニロペに驚きました(笑)。
 
 劇中ジェニファーとマシューが二人で語り合うシーンが多く登場します。それがシンプルな単語のやり取りなので、聞き取りやすくて面白いのです。シンプルな言葉で自分の気持ちを表現するって、なんてステキなことなんだろうと感じました。ジェニファーがマシューに「なぜ?」という問いかけをする時、「Why?」ではなく「Because?」と言うのが好きです。
 
 陳腐で見え見えのストーリー展開が気にならなければ、多少コメディ的に物足りなくても十分楽しめるのではないかと思います。女性向けの映画ですね(笑)。ジェニファー自ら歌う挿入歌も良い感じです♪

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June 28, 2004

「チアーズ」'00米

監督:ペイトン・リード
出演:キルスティン・ダンストイライザ・ドゥシュクジェシー・ブラッドフォード

 主演は子役出身の女優キルスティン・ダンストで、アメリカの高校のチアリーディング部のお話です。チアの踊りがすっごくアクロバティックで健康的なお色気があって、本格的でとってもかっこいいんです! チアのパフォーマンスを見ているだけで元気がわいてきます。思わず自分の出身大学のチアと比べてしまいました。何もかもケタ違い! まず足の長さとユニフォームの露出度と、セクシーな振付と掛け声が日本人にはちょっと真似できないかも。あ、でも最近は日本人女性がNFLのチアで踊ってたりしてますね。劇中では様々な学校のチアリーディングを見ることができます。チームそれぞれの特色があって比べてみるのも楽しいものです。特に黒人の学生達が繰り広げるパフォーマンスは、素人が見てもレベルの高さがわかります。
 
 主演のキルスティンは、『ヴァージン・スーサイズ』(ソフィア・コッポラ監督)の方がキレイかな~と思いましたが、決して美人じゃない(ですよね?子役の時は絶対美人になるって思った)けれど、アメリカン・ティーンネイジャーって雰囲気でとってもキュートです。足長くて胸大きいです! キルスティンを始め子役出身の俳優が多く出演しているので、皆演技が上手ですね。
 
 早速サントラも聴きました。映画のエンディングに流れる「MICKEY」という曲、最高に盛り上がります! キルスティンのアブナイ表情にパワフルなパフォーマンスが最高! このエンディング、出演者のNGシーンが出てきたりしてなかなか楽しめます。転校生の男の子がトーランス(キルスティン)にキスしようとするんですけど、タイミングが悪くて出来ずに終わったというシーンがあるのですが、NGシーンではちゃっかり男の子がキスしてて、とーっても微笑ましくてツボです! 落ち込んだ時や元気がほしい時は、絶対にお勧めの映画です。

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June 24, 2004

「10日間で男を上手にフル方法」'03米

監督:ドナルド・ペトリ
出演:ケイト・ハドソンマシュー・マコノヒー、キャスリン・ハーン、アニー・パリッセ、アダム・ゴールドバーグ

 大好きなケイト・ハドソン主演のラブコメとなれば、ぜひ見ておかなくては! 『デンジャラス・ビューティ』のペトリ監督だったら、きっと面白いであろうと感じたので。
 
 おおまかなストーリー。ケイト・ハドソン演じる人気流行雑誌の記者アンディが、担当のハウツー記事の執筆のために、つかまえた男を10日間でフルということを実践することになります。また、マシュー・マコノヒー演じる広告代理店社員のベンが、ダイヤモンド広告の仕事を獲得しようと、クライアントの社長と10日後のパーティに彼女を同伴できるかどうかという賭けをします。この二人が偶然出会い付き合うことになるのですが・・・ ここからお互いの思惑がぶつかり合う大爆笑の展開が始まります。
 
《ケイト・ハドソンの魅力》
 ケイト・ハドソン最高です! 『あの頃ペニー・レインと』で見せた繊細な演技とは180度違うコメディエンヌぶり。あの手この手を使って、男に愛想を尽かされるような最悪な行動を開始するのですが、相手のベンはパーティに同伴する彼女をキープするため、嫌がらせとも言えるような(笑)仕打ちにも必死に耐えるのです。NBAの観戦中、一番試合が盛り上がっているところで「ノドが乾いたからドリンクを買ってきて。」とお願いしたり、「ダイエット・コークじゃなきゃダメ、取り替えてきて。」と困らせたり。
 
 でもこれはほんの序の口。彼の部屋にぬいぐるみや少女趣味のファブリックを持ち込んだり、勝手に彼の母親に電話して親しくなっていたり、二人の結婚式や子供のことまで妄想したり、ペットの世話を押しつけたり、男友達とのゲーム中に割り込んできて邪魔したり・・・ 普通の男性だったら逃げ出しますよね~。しかし、マシュー演じるベンは忍耐強く我慢して、どこまでも優しく彼女に接するのです。女の私から見ると、わがまま勝手にふるまうアンディは非常に面白おかしく映るのですが、男性から見たらとんでもない女ってことになるでしょうねぇ。
 
 私の好きなシーンは、ケイトが彼の部屋でカーリー・サイモンの「うつろな愛」を踊りながら歌う場面です。音痴ですが最高にセクシーでキュートです。ケイトのファッションも一見の価値ありです。コンサバなオフィス・スタイル、リゾート風のワンピース、ツーリング&バスケ応援用ファッション、女性らしいセクシーなパーティ・ドレス、どれも似合っていてお手本になります。
 
《マシュー・マコノヒーの魅力》
 今まで特に意識したことのない俳優でしたが、この映画を見て大好きになりました。新規の仕事を獲得するためとはいえ、あの我慢強さと優しさには惹かれてしまいます。『プリティ・ウーマン』のリチャード・ギア、『ノッティング・ヒルの恋人』のヒュー・グラントなどを好きになるのって、ちょっと浅はかかなぁと考えていた私は、この映画のマシューにはまってしまった自分がちょっと情けないのですが・・・(苦笑) ケイトがカーリー・サイモンの「うつろな愛」を歌っている時の、マシューの反応とおどけた笑顔が最高です。バイクとNBAチームのニックスをこよなく愛する姿は、少年のようでもありとても微笑ましいです。マシューにはこれからもどんどんラブコメ映画に出演して、はじけて頂きたいものです!
 
 アンディがベンの実家を訪れるあたりから、二人の間に心境の変化がおこるようで、そこからの展開は多少不自然さ、強引さがありますが、元々が無理やりな設定なのであまり気になりません。スタッテン島からマンハッタンに戻るフェリーでのシーンが、とっても自然でステキです。

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June 20, 2004

「L.A.コンフィデンシャル」'97米

監督:カーティス・ハンソン
出演:ガイ・ピアースラッセル・クロウケビン・スペイシーキム・ベイシンガージェームズ・クロムウェル

 50年代ロス市警の腐敗した内部を描き出したハードボイルド・サスペンス。
 
 出世を目指す正義感の強い刑事ガイ・ピアーズ、暴力的で無骨な刑事ラッセル・クロウ、要領が良く無茶をしない刑事ケビン・スペイシー、この3人の刑事の強烈な個性がぶつかり合い、絡み合ってこの映画の中心を構成しています。登場人物が多く複雑なストーリーなので、私の中ですっきり解決できたとは言えない内容なのですが、俳優それぞれの熱演が光る作品だと思います。このようなハードボイルドな映画は見終わったあとかなり疲れますね(苦笑)。しかし50年代のL.A.ってこんなに病んでいたのでしょうか? 当時のL.A.警察のあまりの堕落ぶりに非常に困惑します。
 
 ラッセル・クロウは武闘派の刑事でハマリ役です。彼の出世作となったわけで、その後の彼の俳優としてのキャリアの充実振りは周知の通り。彼が暴れ出すと誰かの血を見るってくらい暴れまくってましたね(笑)。当代きってのカメレオン俳優ケビン・スペイシーは何ともまた味わい深い演技を披露してくれますが、彼のいつものカメレオン振りから見ると、あっけない最期なのでちょっと拍子抜け。ガイ・ピアースはこの作品で初めて見ましたが、出世欲にかられていく様子が人間味が出ていて好演していたと思います。
 
 この映画の紅一点で97年度アカデミー助演女優賞を獲得したキム・ベイシンガー。50年代のハリウッド女優、ヴェロニカ・レイクを真似た高級娼婦を色っぽく演じています。髪型、メイクなどがそっくりです。ラッセル演じる刑事と最初に出会う酒屋でのシーン、黒いフード付きマントを羽織ったキムは謎めいていてキレイでした。この年齢で現役のセクシー路線女優、スゴイと思います! しかしオスカーを獲ったとなれば我々はそれ相当の役割を期待してしまうわけで、物語のキーパーソンになるのかと思いきや、そうでもなかったのでその点がちょっと惜しいですね。

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June 17, 2004

「エバー・アフター」'98米

監督:アンディ・テナント
出演:ドリュー・バリモアダグレイ・スコットアンジェリカ・ヒューストンメラニー・リンスキー

 映画の冒頭、童話作家のグリム兄弟を屋敷に招く老婦人役のジャンヌ・モロー、この設定だけでもワクワクするのに、更にそこから始まる「シンデレラ」をモチーフにしたシンデレラストーリー、最高にステキな物語です。こういう時代劇のコスチュームものって大好きです。例えば『仮面の男』、『ロビン・フッド』、『三銃士』、『エリザベス』、時代は19世紀ものになりますが『オペラ座の怪人』などなど。子供の頃憧れた世界、思わず童心に返っている自分がいます。
 
 主役のドリュー・バリモアがとてもイキイキしています。美形ではなくぽっちゃり体型のドリューですが、ルネサンス絵画に登場するような高貴さがありますよね。映画の中でもレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」が出てきますが、母性的な魅力をたたえているところなどは共通する部分があります。働き者で優しい心の持ち主で、冒険心もあって読書家で進歩的で・・・ シンデレラのこういう解釈も新鮮で良いですね。白いドレスに羽を付けて仮装舞踏会に登場するドリューは、パールたっぷりのメイクでとてもキレイでした。また王子が屋敷にやって来ると知って、慌てて出迎えの支度をした姿も可愛かったです。無防備な姿で川を泳ぐドリューにも天然の美しさが垣間見えました。
 
 ドリュー以外の登場人物も皆良い味を出しています。中でも特筆すべきは継母役のアンジェリカ・ヒューストンの演技でしょう! まさにハマリ役、まさにおとぎ話の中から抜け出してきたような継母です! (『アダムスファミリー』一家の母役) 王子役のダグレイ・スコットはフランスの皇太子という役柄にも関わらず、なぜか少しラテンの香りがする容姿で英語を話しているのが笑えます。世間知らずっぽい一面がありながらも、勇敢なところもあって魅力的な王子様でしたよね。二人の姉も個性が出ていて面白かったです。上のイジワルな姉をパンチするドリュー、そして追い掛け回すシーンで大笑いしました。下の姉の善良さが心地よかったです。
 
 また「シンデレラ」と言えばガラスの靴が重要なアイテムになりますね。この映画に出てくるガラスの靴は私の想像していたものとはイメージが違いましたが、イタリアの高級ブランド、サルヴァトーレ・フェラガモ製ということで、銀色のキラキラしたメタリックな装飾がとてもゴージャスな靴でした。私はイタリアブランドの中でフェラガモが一番好きなので、この靴にはかなり惹かれるものがあります。フィレンツェのフェラガモ本店で是非とも試着してみたいものです!

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June 14, 2004

「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」'97米

監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:マット・デイモン、ベン・アフレック
出演: